人妻ですが紅茶が飲みたいのでレイプすることにしました

みなさんセックスしてますか?私は性欲0の男と結婚したので、離婚・不倫・レイプの三択でしかセックスにありつけなくなりました。

夫がセックスすることに同意すればただそれで済むだけの話なのですが、なかなかそうもいかないので、とりあえず三択のうち一番実現し易いものを選び、レイピストになることに決めました。

今日はそんなレイピスト目線で、性的同意の話でもしようと思います。

 

この間ツイッターで、性的同意を推進してる京大生とツイバトル(いい年してなにやってんだお前)をしてしまいまして、それに刺激されたこともあり、性的同意について書き溜めていた文章をどうにかまとめてこのブログ記事にすることにしました。

最近性的同意が話題になっているなあ、と思ったら、週刊SPA!の記事になってたのですね。後述しますが、あの記事、Genesisさん的には大丈夫なんですか?SPA!の読者層と女性のどちらにも気を遣った結果、『無』しかなかったんですけど。

 

 

●結婚したのでレイプします

さて、私の夫は本当に性欲の薄い人です。

私の買ってきたエロ漫画を見て「エロ本ってモザイク入ってるんだね。無料お試し版(ネット広告や動画)はモザイク入ってて、お金払えば外れるんだと思ってた」と言うような男(当時22歳)です。

端的に言ってしまえばオナニーをしない男なのですが、銭湯で何かを察したのか、包皮はちゃんと中学生のうちに剥いたそうです。めっちゃ偉い。

 

んで、わかっていたことではあるんですが、結婚したらセックスレスになりました。そりゃそうだ。

「君の性的自己決定権と私の性的QOLトレードオフなので、どちらを取るかよく考えろ」と詰め寄ったこともあるのですが、

「エッチなことは楽しいことだから、義務みたいになっちゃうのは寂しいな」と見事にかわして自分の性的自己決定権を掴み取りました。お前が自然に勃起するの待ってたら私が閉経してしまうだろ

 

しかし、説得したり叱りつけたところで、勃起するものでもありません。

「北風と太陽」という寓話でも、セックスしたい時は力ずくではダメで、とことん火照らせて汗だくにしてやれば人は勝手に服を脱ぐのだという教訓がありますね。

それにならって、私はとりあえず彼のちんこを咥えることにしました。

 

●関西発、「新しい性の常識を創る」団体Genesisさんとツイバトルしてしまった

そんなある日、たまたま見つけた性的同意に関するnoteを読んで(´・ω・`)やるせない気分になりました。京大など、関西を中心にした性的同意を推進する団体のメンバーが書いたようです。

引用ツイートしたところ本人のTwitterアカウントを巻き込んでしまい、「若くて美人な女性という立場をフルに使っていて涙が出てきた」と私が彼女の容姿に言及したのが本人に直接伝わりました。すみません。

 

note.mu

 

この中で私が(´・ω・`)しょぼん、としたのは2点、

・『男性に対して失礼に聞こえるかもしれないが、男女でマッチングアプリのマッチ率が違うように、女性はより慎重なのだと考えて欲しい。』の一行でこの世の悲しみの全てがサラッと流されていること

・『それで、したい夜は勇気を持って思い切りセクシーな声色で聞くの。「ねぇ、今日しない?」』と、自分の加害性を疑っていないところ

 

最初に若くて容姿のいい女性、というステレオタイプでもって彼女の思想を判断したのは確かに軽率だったのですけれど、口論してるうちに「どうしよう、ななみんさん、本当にモテない人の立場、断られ続ける人間をハナから考慮に入れてねえぞ」ということがわかってきたので、 アタマが痛くなってきました。

 

とはいえ、彼女の方も、私が「俺」という一人称を用いたこと、セックスしたすぎて死にそうになっている様子から、私のことを男だと判断したわけですから、ステレオタイプから自由なわけではありません。

 「アッアッ、それ男がブス貶す時に言うやつやん、何の接点もないのに『こんなブスこっちからお断りww』って言うやつやん」と、女性差別そのまま裏返していて頭抱えました。

 

 で、もっと頭抱えたのがこれです。

 

性的魅力が低い人間が楽しく同意が取れる…?京大工学部の童貞から石飛んでこない?だいじょぶ?

最終的に同意が取れないことは何も楽しくないですよ起きて。「私は女性なので統計的に仕事を辞めやすいと思われており、また学歴やアピール能力もなかったので、結局50社受けても内定は出なかったけれど、楽しい就活をすることができました」とか言える人間がいたら、バケモンですよ。

 

ステレオタイプゴリゴリの推測をするのなら、もしかしたら彼女は、断らなければいけない場面に過去何度も遭遇してきたのかもしれない(女だから)。

 ただ、その一方で彼女は、自分が誘うことで傷つく人間がいることをさほど考慮に入れていない(女だから)。

 

わたしにもそんな時期がありました。

あの時、Yes means Yes が、No means No が一瞬でも実現できたのは、ただただ自分の肉体の値段あってのことで、別に自分のやり方が上手だったわけではなかったのだ、ということを今更のように私は恥じたくなるのです。

 

 

●セックスは紅茶なんかじゃない

一時期日本でもバズりましたね。こちらはイギリス発の、セックスを紅茶に例えて同意の重要性を説く動画。

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この動画のいいところは、「淹れた紅茶を断られたらムカつく」ということを、身の回りの経験に置き換えて女性でも理解できるところだと思います(半分冗談です)。

 

動画がバズった時散々指摘されましたけれど、別に世の男性は紅茶を飲ませることに至上の快感を見出すわけではないですよね。単に自分が飲みたいというだけのことで。

 

フランスのマチズモ作家ウエルベックの小説、「闘争領域の拡大」の中で、非モテ男のティスランはとことん女性に相手にされません。ティスランが童貞のくせに風俗に行かないことを、あろうことか主人公は叱りつけるのですが、ティスランは次のように言い返します。

そりゃあね、僕だって考えたさ。その気になれば、毎週だって女は買えるだろう。土曜の夜なんてうってつけだ。でも同じことをただでやれる男もいるんだぜ。しかもそっちには愛までついている。僕はそっちでがんばりたいよ。今は、もう少しがんばってみたいんだ

 

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セックスを例えるなら、紅茶よりも「三尺三寸箸」という仏教説話(出典不明)のほうが幾分似つかわしいと思うのですがいかがでしょう。柿安のビュッフェレストランの名前の由来にもなっていますね。

極楽には、そして意外なことには地獄にもごちそうが用意されていて、ただそれを三尺三寸もの長い箸で食べなければならない。

地獄の餓鬼たちは我先にと争って食べようとするけれども、箸があまりに長いので、自分の口に入れることができずいつまで経っても折角のごちそうにありつけない。一方極楽では、長い箸を使って自分ではなく相手に食べさせてあげる。すると相手もお返しとして箸で食べさせてくれるので、誰もが満ち足りて幸せそうである。

与えられたのは同じ状況であるのに、人を思いやる気持ちでこうも世界が変わるものですね、という説話。

その説話の教訓はさておき、セックスってだいたいそんなものじゃありませんか。相手が与えてくれなければ食べることが出来ない。自分は飢餓で死にそうになっているが、隣を見やるとカップルが互いにあーんとご馳走を食べている。誰もが奪い合う地獄でも、誰もが与え合う極楽でもない、やるせない現世ではおおむねそんな感じです。

 

●レイピストは性的同意を取るために必死である

見知らぬ女性をブン殴って犯すとか、そういうのは話が通じる相手ではないのでひとまず置いておいて、もう少し身近なレイプの話をしましょう。勝手に自分は日常レイプと呼んでいます。

日常レイプという意味で言えば、性的同意の欲しくないレイピストなんていません。本当です。ただ、何回も性的同意を迫ったり、断りにくい状況を作っているだけです。

 

昔の自分の話ですが、大学の先輩とTwitter経由で知り合い、食事に行ったことがありました。

食事の後、(共通の趣味である)ゲーセンで遊んでいると、彼が近づいてきて、私の耳元でそっと「ねぇ、いつになったらオッパイ揉ませてくれるの……?」と囁きました。

理性は「揉む前にちゃんと同意を取ろうとしてくれた良い人だな」と言っているのですが、感情が「うわっハゲデブの息が耳にかかったキモッ」と受け付けてくれません。

 

『それで、したい夜は勇気を持って思い切りセクシーな声色で聞くの。「ねぇ、今日しない?」』、とどう違うのか?と問われれば、ただただ性的魅力の問題なのですが、そういうわけで、(性的同意が得られない場合に)性的同意を取ろうとすることはそれ自体が割とキモい、という重大な欠陥があるわけです。

これ、100%プライベートな関係なので、定義的にセクハラではないですね。これをセクハラではなく、性的同意を取る際にどうしたって起きるリスクだと女性側が見做すことは、実は性的同意を取るにあたって重要なことなのですが、そんなことができるわけもないので、まあ性的同意なんて夢のまた夢ですよね。

 

一番マズいのは、恋愛において積極的であるのは男性側であるべきだという性的規範がこれと同時に存在することです。なんて素適なデッドロック。ただ待っていて女性側からアプローチが来るのなら、こんな危ない橋は渡らないのですが、実際は来ないので、アクションを起こさないといけない。

だから、告白だとかセックスだとかは、「もしかしたら嫌がられるのかな」とおっかなびっくりしながら進めないといけないことで、OKされることもあれば実際に嫌がられるということも往々にしてあるわけです。

そしてこの、OKされることも嫌がられることも両方あり、アクションを起こすまで区別がつかないというのが日常レイプをせざるを得ない大きな理由になります。

 

あるいは、他のプライベートな権利を主張する場合もあります。

要するに、「ヤらせてくれないなら別れたい」という話です。交際は両者の同意に基づいた関係なので、原則として片方が別れたいと言った場合、それ受け入れるしかないんですよね。あるいは「ヤらせてくれないなら帰ってほしい。ここ俺の家だし」と言ったっていいのです。

それもまた同意だよね、なんて言うのは流石に意地が悪いでしょうか。

 

 

 ●週刊SPA!が男性読者に気を遣いすぎて無になってる話

さて、少し話が逸れますが、週刊SPA!3/12号に実に6ページにわたって性的同意についての記事が掲載されました。Genesisさんも監修に携わっているとのことでしたが、彼らにとっても不本意な部分のある記事なのではないかな、と少し感じました。

記事を通して読んだ感想としては「え?じゃあ一体どうすればいいの?何も書いてなくない?」といったところ。

 

記事の主軸はSEXしたいサイン(夜遅い映画デートをした、終電を気にせず飲んでいる、同じベッドで寝ることになった…)について、実際OKかどうかを女性にアンケートしたというもの。

しっかりした性的同意を取る場合、このサインとやら、別に役に立ちませんよね…?多くの女性が「これはセックスOKサイン」だと考えていることと、目の前の女性が同意しているかは関係が無いし、そんなサインに頼らずにまず聞けよ、って話じゃないですか。

 

 

 なにより驚いたのがこの図。

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 「断れなくて後悔したことがある」が16.3%いるから、ちゃんと性的同意とりましょうね、っつー話をしたいのはわかる。

その下に、「嫌がるフリをすることがある」という女性が15.3%もいるんですけど、じゃあNOを信じて止めたらただの機会損失になるじゃないですか。男が性的同意を取るメリットとは……?

あと、YESを明確に伝える女性が少なくてわたくし泣きそうです。YESと言った場合以外はすべてNOだと考える、という性的同意の取り方があります。かなり安全寄りに寄せた考え方ですね。しかしこのアンケートを見る限り、ちゃんとOK出してくれる女性はたったの25%。

 

男でも明確なOK出さない人はいます。またまた私の性体験の話をしましょう。ビッチだと実例に事欠かないので便利ですね。

チンコは勃起させてるのに冷凍マグロのごとく動かないし、やりたいことを聞いても無言という人がいて、困った経験があります(ガチガチの同意取る方なら、ここで中断するべきだと言うのでしょうけれど)。どうにか挿入直前になって、

私「あれ、このゴム新品の箱ですね、いつ買ったんです?」

男「……昨日」

お前、予め期待してたなら、もっと早くOK出せよ!つーか動けよ!

あと、徹夜の飲み会のあと「同じ方面に帰る」という方便で私の家までついてきた人もいました。「セックスする?」って聞いても無言なの。返事かえってこねえの。でもセックスはするの(あ、気持ち良かったです、ども)。

聞いたからといって相手が答えてくれるわけではない」というのは、性的同意を積極的に取ろうとするには実際大きな障害で、今回のSPA!のアンケートのデータはそれを裏付けてしまった形なのではないかと思います。

 

記事の中で性的同意の重要性は再三語られているし、男性にも興味の出やすい刺激的な内容ではあるけれども、「じゃあどうすれば嫌がられずヤれるのか?」というところの答えは示されていないし、しっかりした性的同意の取り方を教えているわけでもない。

デート前の行動について「約束時点で性的同意が得られることはまずない。先走ると、かえってSEXが遠のくだけなのだ。」とも記事には書かれており、それはそれで現実に即した正論なんですけども、しっかり同意取りたいなら、デート前に「夜ホテル泊まっても大丈夫?」って聞くのも一つの形ですよ。

 

その上、記事の中で、「性的同意をマジメにとる方がアホらしい」と感じさせるようなデータが出てくる始末。「イケメンとセックスしようとホテルで服を脱いだら、ゴツいシルバーアクセサリーを付けてて萎えたので帰った」とかどうすればえーねん。

 

 

●男側に性的同意を取るメリットは無い

 男、と書きましたが、性行為に積極的な側、と読み替えてください。

先ほども書いた通り、

・性的同意を取るアプローチ自体がすでに加害的である

・でも男側がアクションしないとセックスにありつけない

・女性の側が明確に意思を伝えてくれるわけでもない

そういうわけで、性的同意をしっかり取ったからと言って自分の好感度がさほど変わるわけでないし、相手がOKなのにセックスを中断せねばならない可能性さえ出てくるわけです。

 

Genesisさんが掲げる性的同意のポリシーのうち、私が絶対に許せないものがあります。

「同意が与えられ、基準を満たしていることを確認する責任があるのは、同意を求める側です。」(PSHE Associationより)

 

いや、理屈はわかります。構造的に、そうせざるを得ないからです。同意を求められる側、多くの場合女性ですが、セックスをそこまで能動的に行いたくない人間は同意を確認するモチベーションすら無いからです。

一方で、性行為をしたい側に同意が取れていることを確認させるのも危ういことです。そもそも自分の都合のいいように認知が歪んで正しい判断ができているかわからないからです。更に言えば、女性側の本心を知りえるのは女性本人だけだからです。「うん、と言ったけど本当はイヤだった」みたいなの、どうやってわかれっちゅーねん。

 

理想論としても、現実的にも、同意というのは両者の歩み寄りがあって初めて成立しえるものです。いやもうマジで、聞いても返事が返ってこないことがあるんだよ(血眼)。同意ってなんでしょうね。

 

恋愛において、男は営業マンなのです。

自分という商品に非常に価値があれば、軒先に値札付けておくだけで売れるかもしれません。でも、多くの場合そうではないから、売り込みに出かけなければいけません。強引な営業をしたら、嫌な気持ちになる客が一定数出てくるかもしれません。でも、売り上げが出なかった時の責任は、誰も取ってくれないのです。

営業の立場になれば、女だって同じことを平気でやるようになります。エステの店員だって脱毛の店員だって結婚式場のプランナーだって、時間の引き延ばし、契約するまで帰れない雰囲気、副作用やリスクを隠す、オプションの値段を隠した上での契約、なんだってやってきます。

上手な営業は「いかがなさいますか」なんてYES/NOで答えられる質問をしません。NOが返ってきて終わりだからです。その代わり、こんこんと商品の良さを語ってきます。買う前提で話を進めてきます。買うかどうかの同意を求めるなんてのは、親切だけれども、数字が出ない営業のやることです。

このあたり、恋愛工学は確かに効果のあるメソッドだと思います。あれは男は営業マンだと割り切って、営業ハウツーを恋愛向けに変形したものですね。

恋愛工学の上手いのは、女に好かれるためのハウツーを、男の好きそうなラッピングをして売っているところです。なので、ハウツーを取り入れるのは良いにしても、女性蔑視な思考は男ウケさせるためのラッピングなんだから、それを真に受けて信じるのはいただけないな、というのが私の感想ではあります。

 

もし、同意を取ることにメリットがあるとするなら、性的加害の可能性を否定できることです。

わざわざ悪意のあるウソをつく人間は多くないよ!と言いたい人もいるかもしれませんが、性的同意を覆さないといけないモチベーションというのは存外発生します。主に、浮気を責め立てられ、どうにか責任転嫁したい時です。そうじゃなきゃ稲井君は逮捕されてなかったと思います。

この場合はかなりガチガチの同意が必要で、それこそ同意書を用意するのがよかろうと思いますけれど、女性がヒくと思うので、現実的じゃないんですよね。いやあ、理想的な同意ってこれなんですけど、おかしいなあ…。世の女性がこれを喜んでやってくれるなら世界はバラ色ハッピーなはずなんですけど。

 

結局、客は受け身だから、面倒を嫌うのです。セックス同意書、なんて、そんなの書きたい人間います?クレジットの後の署名すらちょっと面倒くさいのに、現金で払うたびに領収書書かされるコンビニなんてのがあったら行きますか。

「触っていい」「キスしていい」「胸も触っていい」と事細かに聞いてフラれた男なんて話も昔ツイッターで見ましたね。

おそらくどこかに、同意の度合いと、客の喜ぶ度合いのバランスが取れる点があるのでしょう。でもたぶん、それは100%同意が取れている状態ではないと思います。

 

それに、男の側だって性的同意の重要性を知らないわけではないですよね。

身の回り3mの話で恐縮ですが、それなりにちゃんと教育を受けてきた男性は、性経験が浅いうちはちゃんとコンドームを付けます。コンドームを付けないと死ぬ、ぐらいの気持ちで最初はいます。でもなぜか、そのうち外したがるのが一定数出てきます教育はチンコの快楽に負けます(これは完全な蛇足ですが、うちの夫が『どうせセックスするなら生の方がいいな』と言い始めたときは目の玉飛び出しました。ブルータスお前もか。これ他人には伝わらないと思うのですけれど、うちの夫がどれだけマジメそうな人間かを知っている人間には笑えると思います)

 

●セックスするまでセックスしたくない人たち

 

さらに面倒なことに、「セックスをするまで性欲がわかない」という人間がいます。私の夫です。

1960年代、マスターズ&ジョンソンはマスターズ報告と呼ばれる人間の性に関する医学的な研究報告をしました。その中で、性的欲求を始めとして、性的興奮期、プラトー期、オーガズムを経て、減衰期に入るという、人間の性的興奮の一連のサイクルが示されました。ただ、それから研究が進むうちに、必ずしも性欲が興奮に先んじるものではない、性欲と性感のフェーズが逆転することはしばしば起こるのだ、という説も主流になってきました。

 

確かに、他のことでもこういったことはあります。自分はお腹が減っていなかったけれど、友人と一緒にレストランに行ったら、メニューを見ているうちにお腹が減ってきたということはあります。あるいは、朝は行きたくなかった仕事さえ、やっているうちに興が乗ってくることがあります。翌日にはまた職場行きたくなくなってますけど。

 

なので、シラフのときに「セックスしてもいい?」と聞くのは馬鹿げていて、『そういう雰囲気』にならなければ質問する土俵にすら上がれない。意識がはっきりした状態でセックスの同意を取ってはいけないんですね。どうせ相手がOKしないから。

 

そういったわけで、私はとりあえず夫のちんこを触って、勃起させます。いちいち許可取るほどアホなことはありません。

 勃起すればセックスOK、勃起しなければその日はNGです。わあ簡単。

 

 

●まあ、それでも性的同意は取った方がいいよ

と、色々ゴネてきましたが、それでも性的同意は取るべきです。

誘う側にメリットは特にありません。メリットは無いのだけども、ただただ倫理の問題として取るべきです。それによってあなたは何人かの相手の満足度を下げるかもしれないし、そもそも一生素人とのセックスにありつけなくなるかもしれないけども、そこは清貧を貫いて餓死してください。

断る権利は万人にあって、その結果が必ずしも全体の幸福につながらないとして、個人の権利が否定されるものではないのです。

 

ちんこ勝手に咥えてる私ですが、嫌がったらやめます。その前にちんこが立たないので続けようがないのですが。肉体の興奮と許諾がほぼ一致する、というのは凄まじく便利な夫の体の特性です。

すごくどうでもいい話ですが、まだ我々の間にセックスがあったころ、夫が爪を切ってくれませんでした。「膣が痛むから切って」「深爪になるからヤダ」で決着がつかず、仕方なく手マンを撤廃することでどうにか対応したのですが、つい最近、義実家に行ったところ、遺伝的に爪の形が手マンに向いてない血筋なのだということが判明しました。夫のきょうだいの指見ても、爪のピンクの部分が肉より先に出っ張ってるのを見て、ようやく手マンしてもらえないことに諦めがつきました。どうでもいい話ですね。爪切れよ。

結局私だって、本当の意味で性的同意取ってないわけではないですね、私は妻だからさほど嫌がられないのわかっているし、夫は男だから触られる不快感がさほど強くないだけですね。

そしてまた、私が「今日は痛い」と言えば、相手の男は挿入途中でもやめてくれたし、私は性的同意に守られてきたんですよね。ちゃんとフェラで抜くけど。

 

男の側が積極的に働きかけることが求められている現状、全くアプローチかけないわけにいかないので、現実的なのは、段階的に同意を取りに行くことでしょう。

 とりあえず紅茶を淹れてみて、匂いを嗅がせて、一口飲ませてみましょうよ、と。その途中で嫌がられたらしぶしぶやめましょう。しぶしぶでもやめましょう。

 

あとこれがクソなんですが、あなたが魅力的な人間であることは、あなたのセックスで不快な思いをさせる可能性を下げます。魅力的だからといって何やって良いわけではないんですけど。

口が臭くない、というのはメチャクチャ大事です。手マンが痛くないのも大事です。あなたが女なら、ただそれだけでクソ有利です。おめでとうございます。

 

それから、自衛のためには性的同意を形にすることを心がけると良いです。形にする、って、要するに証拠残しとけよ、って話なんですけど。毎回でなくていいから、LINEとかで後朝の文を送っておくとか。スーパーフリーのごまかし方なんかは参考になります(するなよ)。それぐらいしか性的同意を取ったご褒美ってないのだから、最大限利用していきましょ。

 

最後に、ちょっとだけ実用的なTipsを。指とかちんことか挿入する時に、「痛くない?」って毎回聞いてください。美容師さんの「頭かゆいところありませんかー」と一緒で、何も考えずに聞いてください。体調によって思いがけず痛む日もあるし、毎回聞かれても案外不快ではないです。何より、「痛いかも」って、断りやすい文句の一つですね。

 

夫に怒られたら、この記事は消えます。