「彼女頭悪」感想の感想

久々にはてな開いたら「彼女は頭が悪いから」の記事にいまだにアクセスあるっぽい。

 

中身気になってる人が多い中レビューしたというだけのことで、あの記事自体はあまり読者の心境を反映しないと思うんですが。いいのかな。

 

ちょっと時間をおいて浮かんだ考えとか、他人の感想を読んで思ったことなどつらつらと。

 

あの小説は結局どう読むのが正しいの?

読者が東大生だとか、実在の当事者らの事情を知っている人間ならば、現実と照らし合わせた穿った見方をするのも面白いでしょう。

が、そういう知識や立場無しにあの本を読むなら、あの本の魅力を形成するのは性被害への同情と東大へのルサンチマンだと思います。

 

常日頃は女一般をバカだと言ってはばからないクセに、自分が惚れた女については「いや、彼女は賢い女の子なんだ」などとチンコに合わせて認知を捻じ曲げたりするあたりなんかは「あるある」ネタの切り取り方として面白かったです。

でも、全体としてはボリュームが多く、日常シーンが冗長です。最後は事件に至ると分かりきってるからこそ、日常シーンを長くとることで不穏感を煽る狙いがあったのかもしれませんが。

結末では当然誰も幸せになりませんし、大したカタルシスもありません。それでもあの本が評価されるのだとすれば、「やっぱ東大生って人の心がわからないひどい奴なんだな」とルサンチマンを補強してくれる気持ち良さが大きいのだろうと思います。

 

キャラクターの薄さと、東大生一般への風評被害

はてブコメなり、ツイッターなりで本そのものや私の記事への感想をちらほら見ました。

それらの感想に特徴的なのが、登場人物の名前がほとんど出てこないことでした。

登場人物の数が多いうえにキャラがかぶっている者もチラホラいるので、名前が覚えきれないと言ってしまえばその通りなのですが……主人公であるはずのつばさや美咲の名前すら、あまり多くは出てきません。

少し話が逸れますが、なんでつばさって名前なんでしょうね。女の名前のようにも読めてしまうので、男女が交互に出てくるダブル主人公の小説には不向きかな、と思うのです。昴樹→すばる→つ「ば」さの連想かな、とも思いましたが、キャラ名に理由らしい理由なんて無いのかもしれません。

ともかく、あの小説の感想にはほんとうに名前が出てこない。その代わりに主体として用いられるのは「東大生は~」というフレーズです。

小説全体を見れば、確かに一人一人のキャラクターは薄い。例えば、美咲が好意を抱く男性はトータル3人出てきますが、それらは全員同じに見えます。美咲がフられて自尊心を失うエピソードを書くためのパーツに過ぎないように思われます。つばさに寄って来る女性たちも、似たり寄ったりです。

加害者5人は家族構成だとか、経歴だとか、出身高校とか、実在の人物のプロフィールをあれだけ本に入れ込んで下敷きにしているのにもかかわらず、キャラクターはそこまで目立ってきません。エノキはキャラ立ってないわけではないはずなのですが。エノキについて言及した感想を私はただの1つも見つけられませんでした。みんな興味ないのかな……

事実に近く描くことを諦めて、キャラの立った小説として再編するのなら、生嶋枠を削除することが

出来ただろうと思います。そうすれば、主人公のつばさ、ライバルの譲司、腰巾着のエノキ、起訴を逃れた和久田でバランスが取れます。

こういったキャラの薄さのせいで何が起こるかといえば、本を通して読んだ後に残る印象が、東大生一般に適用されてしまうという熱い風評被害です。

 あくまで小説だから創作が多分に含まれている、という観点をまるっと喪失している読者はそこまで多くはなかったのですが、フィクション中の東大生の描写は、現実の東大生一般の心理を反映したものである、という見方をする人は多く見受けられました。それこそが、私が前のブログ記事を書かねばと思った理由でもあります。

松本の名前を知っている必要はないけど、つばさはつばさとして読むぐらいのことはできるんじゃないだろうか。

 

それはそれとして稲井くん

稲井大輝くんが逮捕されましたね。11月下旬に裁判あるらしく、めちゃ興味あり。

酔って立ちションするのと同じ感覚で女にハメてそう。ここらへん、お誕生日を研究してた人たちとは女の供給量が数十倍違うから、あんまり行動原理を一緒くたにしないほうがよさげ。日常におけるセックスのハードルが下がりまくると、酔った時にああいう事件を起こしてしまうんじゃないか、と勝手に思ってます。

私も将来ボケたら、「マン汁を集めて早し最上もが」とかワケわからんこと言いだすんじゃないか、と今から不安ですもん。

 

たぶん実刑くらって今後2年以上ヒマになると思うんで、今のうちに口元を整形手術しておくといいんじゃないでしょうか。人生のダウンタイムですね。